よしながふみ『愛すべき娘たち』を読みました。

愛すべき娘たち (Jets comics)作者: よしながふみ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2003/12/19メディア: コミック購入: 32人 クリック: 220回この商品を含むブログ (327件) を見るよしながふみというとボーイズ・ラブ的な印象が強く手を出せずにいたのですが…

万城目学『鴨川ホルモー』を読みました。

鴨川ホルモー作者: 万城目学出版社/メーカー: 産業編集センター発売日: 2006/04メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 334回この商品を含むブログ (449件) を見るひとことで言うと、京都の街を舞台に「ホルモー」というサークル活動(?)を繰り広げる大学生…

三浦しをん『私が語りはじめた彼は』

おすすめの本の話になると、いまだに3年ほど前に読んだこの本を挙げてしまいます。 それほど強烈な印象を与えた本だったのに、なぜでしょう、どういう内容だったかは具体的には憶えていないし、説明できないのです。私が語りはじめた彼は作者: 三浦しをん出…

少女マンガと妄想

先日、週刊文春で少女マンガの性描写がいかにエスカレートしているか、という記事を読みました。 記事自体はその事態を糾弾する、というよりは読者層であるおじさんをウハウハ喜ばせるような内容であるように思いましたが、たしかに『僕は妹に恋をする』とか…

興味深い話を聞きました。

サンショウウオは人になつくらしいです。以前餌を与えてもらった人間を認識すると「ゴハンまあだ?」という顔をして見上げるんですって。両生類なのに、なんかヘンです。あれ、かわいいんですかね。 カレル・チャペックの本には『山椒魚戦争』というのがあり…

向田邦子と料理

女性、特に社会で働いている女性には、作家・向田邦子の趣味や生活を魅力的と思う人が多いと思いますが、私もその1人。和菜れとろのメニューのような家庭料理を食べると、向田邦子が食好きが高じて妹さんと開店した小料理屋『ままや』のお料理を思い出しま…

佐伯チズと女性の嫉妬について

佐伯チズさんが「女の友情はない。女は人の足は引っぱっても手は引っぱらない、ジェラシーの生き物」とおっしゃっていました。肌づくり絵本 美肌の花道 「佐伯チズでございます!」 (講談社の実用BOOK)作者: 佐伯チズ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/04/…

森絵都『風に舞い上がるビニールシート』

風に舞いあがるビニールシート作者: 森絵都出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/05メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (254件) を見る読んでいたら、なんだか懐かしい描写に出会いました。もしかして、と思って調べたら、同大…

久坂部洋『無痛』

無痛作者: 久坂部羊出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/04メディア: 単行本 クリック: 18回この商品を含むブログ (56件) を見る新しい視点の小説と思いました。 「痛み」の感覚を持たない男が出てくるのですが、著者は無論痛みを感じる人のはずなのに、「…

恒川恒太郎『夜市』

夜市作者: 恒川光太郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/10/26メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 96回この商品を含むブログ (203件) を見るひさしぶりにぐっときたホラーです。なんと幻惑的で美しい文章。学校蝙蝠、永久放浪者、一つ目ゴリラ…はじめ…

東野圭吾について

東野圭吾の作品を端から9割方読破しましたが、世論どおり『白夜行』〜『幻夜』〜『容疑者Xの献身』が最も面白いのですね。これを忠実に映像化できたらば、フィルムノワールってきっとこういうことなのじゃないかと思います。白夜行 (集英社文庫)作者: 東野…

表現することの原点、そして未来:岩井俊雄×佐藤雅彦のトークイベントに行きました。

どうしても行きたかったため、会社をとんずらしました。 とても意義のある2時間でした。 本でもなく映画でもなく、リアルタイムで語られた人の言葉に心を突き動かされたのは、ずいぶんひさしぶりである気がします。いくつかポイントを挙げると、 ■子供の欲…

角田光代『この本が、世界に存在することに』

この本が、世界に存在することに (ダ・ヴィンチ・ブックス)作者: 角田光代出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2005/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (129件) を見る本をめぐる9つの短篇集なのですが、一篇ごと…

感動

死にカタログ作者: 寄藤文平出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2005/12/15メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 113回この商品を含むブログ (97件) を見るウンココロ ~しあわせウンコ生活のススメ作者: 寄藤文平,藤田紘一郎,寄藤文平,藤田紘一郎出版社/メー…

蜂飼耳『孔雀の羽の目がみてる』

大きな声で言ったことはあまりないのですが、わたしは以前とっても詩が好きでした。10代の頃には、中原中也の詩を書写していたこともあります。ええ、とっても思春期っぽいですね。 孔雀の羽の目がみてる作者: 蜂飼耳出版社/メーカー: 白水社発売日: 2004/…

アメリカ小説界の静かな巨人

ひさしぶりに出会ってしまいました。 リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』(白水社刊)、これすばらしく好みの本です。ほとんど記憶のない女作者: リディアデイヴィス,Lydia Davis,岸本佐知子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2005/10メディア: 単…

歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』を読了。

ずっと読んでみたかった、2004年度このミス第1位だった作品。葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)作者: 歌野晶午出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/05メディア: 文庫購入: 40人 クリック: 204回この商品を含むブログ (360件) を見るなぜこ…

いくえみ綾『バラ色の明日』を読む。

バラ色の明日 1 (集英社文庫)作者: いくえみ綾出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/07/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (14件) を見るいくえみ綾、ストーリーテリングがどんどん巧くなる。引き込まれる。 そこらへんのくだら…

山田悠介『リアル鬼ごっこ』、野中柊『あなたのそばに』、重松清『疾走』。

前者ふたつ、琴線に響かず。読んだことも忘れそう。疾走 上 (角川文庫)作者: 重松清出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/05/25メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 37回この商品を含むブログ (258件) を見る『疾走』はSABUで映画化されるらしいのだけ…

リリー・フランキー『東京タワー』を完読。

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~作者: リリー・フランキー出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2005/06/28メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 445回この商品を含むブログ (1428件) を見る電車の中で何度も目頭が熱くなる。親と子、というよりは、母…

本を見る:本の装丁について

仕事で出会った清流出版の『宮崎駿のアニメ世界が動いた』という本の装丁が、派手ではないけれどとてもステキです。宮崎駿のアニメ世界が動いた―カリオストロの城からハウルの城へ作者: 上島春彦出版社/メーカー: 清流出版発売日: 2004/12メディア: 単行本購…

マイケル=ローゼン『悲しい本』。

悲しい本 (あかね・新えほんシリーズ)作者: マイケル・ローゼン,クェンティン・ブレイク,谷川俊太郎出版社/メーカー: あかね書房発売日: 2004/12/10メディア: 大型本購入: 5人 クリック: 21回この商品を含むブログ (52件) を見る 悲しみは、どこにあるのか?…

岸田衿子/安野光雅、『ソナチネの木』。

ソナチネの木作者: 岸田衿子,安野光雅出版社/メーカー: 青土社発売日: 1996/10メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る アランブラ宮の壁の いりくんだつるくさのように わたしは迷うことが好きだ 出口から入って入り口をさがすこ…

瀬尾まいこ『幸福な食卓』を読破。

幸福な食卓作者: 瀬尾まいこ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/11/20メディア: 単行本 クリック: 47回この商品を含むブログ (337件) を見る主人公の女の子の心の推移、成長がとてもみずみずしく描かれている。 家族の描写も淡々としているようで、しみじ…

いくえみ綾の『潔く柔く』1巻を読む。

潔く柔く 1 (マーガレットコミックス)作者: いくえみ綾出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/11/25メディア: コミック クリック: 70回この商品を含むブログ (175件) を見るどっちも切ないお話であり、高校生くらいの男女のえげつなさや身勝手さがよく描かれ…

長嶋有『泣かない女はいない』を読む。

泣かない女はいない作者: 長嶋有出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/03/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (125件) を見る好きな文体である。 しかしわたしは吉田修一といいこの人といい、おおまかに言ってこういうタ…

穂村弘『現実入門』を借りて読む。

現実入門作者: 穂村弘出版社/メーカー: 光文社発売日: 2005/03/23メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 60回この商品を含むブログ (189件) を見る人生における経験値が極めて少ない作者が、合コン・献血・ショールーム見学などをひとつずつ体験していくエッ…

みうらじゅん『正しい保健体育』トークショー&サイン会へ。

正しい保健体育 (よりみちパン!セ)作者: みうらじゅん出版社/メーカー: 理論社発売日: 2005/01メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 203回この商品を含むブログ (215件) を見る普段ならばサイン会や握手会に行く人をバカにする立場をとっているのですが、こ…

三崎亜紀『となり町戦争』を読む。

となり町戦争作者: 三崎亜記出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (489件) を見る小説すばる新人賞受賞作。 ある日、主人公の住む町ととなり町との戦争がはじまる。しかし、町はちっとも変…

明け方に隣家のカップルが大バトル。 何かが砕けるようなはじけるような騒音に、地震でも起きなかったわたしが飛び起きる。 女が「なんだよ、こっちは寝てたんだよ!」とたいへんな剣幕で怒鳴っている。ええ、それはこっちのセリフですよ。 隣家カップルは、…