仕方がないわ、生きていかなければ

『ドライブ・マイ・カー』を観にいった。

1時間の筋トレの後に急いで映画館にいったので、179分の長尺、寝てしまうかなと思ったけれど、寝なかった。

喪失と後悔と再生の物語。

こういう物語に遭うと、決まって27歳の時に死んだ友達のことを思い出す。

あの時、私は自分の命が尽きるまで彼のことを思い出し続けるだろうと直感したけれど、その途上にある今も、やっぱりそう思ったままだ。

伝えないことと、二度と伝えられないことは違う。会わないことと、二度と会えないことは違う。

たとえ一生伝えることがなかったとしても、一生会うことがなかったとしても、生きているということは、希望が潰えていることとは決定的に違うのだ。

主人公の家福(かふく)とみさきの抱えて生きていくものがとてもよく分かったから、二人の乗った赤い車がたどり着いた場所に、泣いてしまった。そしてまた、あの赤い車が通り過ぎて、走り続けていく。

 

関係ないけど、10年くらいの月日がとても長くて重たいものだったのって、何歳くらいまでのことだろう。

今の私にとっての10年間は、たぶん高校生の時の3年間くらいの感覚。10年くらい前のことを、つい2〜3年前くらいのことと捉えている。

大人になるって、恐ろしい。