物を大切にするということ。

友人カップルのお引っ越しを手伝いました。


このお2人、物をたーいりょうに持っている方々で、2人の引っ越しにも関わらず、その荷物はざっと見積もって4人家族分くらい。
男性の方はとてもオシャレな方で、服はボトムスだけで40本くらいありそうな?靴も40足くらい?え?アロハシャツが200枚以上?そして趣味の自転車…4台?何これジャンベ?次から次へと出てきます。
女性の方は服が多いのは仕方ないにしても、とにかく本だらけ。部屋がひとつダンボールで埋まりました。そして、食器やカトラリーの数…10人家族くらいいけるのでは?


趣味人同士が一緒に暮らすと、こんなことになってしまうんだー。わー。


それぞれひとり暮らしであったはずで、女性の方は本当に普通の、1K程度のアパートに住んでいたはずなのに、一体どうやってこの物たちを収納していたのか?と疑問に思いましたが、一緒に片づけていくうちに、彼女の収納術を見て合点がいきました。しまい方がとってもお上手。感心。
男性の方も、服は桐の箱にいれたり、クリーニングにこだわったりしていて、ああ、彼はこのコたちをとっても大事にしているんだなと。


二人とも、たくさん物を持ってるとはいえ、質のいい物(値段も高かったりしますが)を買い、大切に手入れして使って、ちゃんと物を慈しんでいるように見えました。


わたしもファッションが好きだし、本に音楽に映画に…と、興味が散漫で散財癖があるので、決してシンプルには暮らせない方ですが、とにかく収納が下手で、物を大切にできません。


大切にすべき物も、消耗品のように扱ってしまう。これは大きな欠点のひとつです。


大好きな本も集めた映画のパンフレットもひたすら積んであるだけだし、ひとり暮らしの時に集めた食器は、今はコンテナに入れてテラスに放置してあります。服は安物の大量買いで、テキトーに詰め込んでしまっているため閉まらなくなったクローゼットの扉がいつも半開き…雑です!雑すぎます!

SONYA’S SHOPPING MANUAL 1 TO 101―ソニアのショッピングマニュアル〈1〉

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買えない味

買えない味

<とんぼの本>向田邦子 暮しの愉しみ

<とんぼの本>向田邦子 暮しの愉しみ

スタイリストのソニア・パークやフードジャーナリストの平松洋子、作家の向田邦子がエッセイに書く、服や靴や食器や鍋などの「物」へのこだわりがとても好きで、読むたびに「こんな物に囲まれた生活をしたーい」と漠然と憧れてきたのですが、もう思ってるだけじゃダメな年齢だなと。
彼女たちの語る「物」がすてきなのは、「物」それ自体が逸品であるからだけではなく、彼女たちの「物」を慈しむ心と姿勢が素晴らしいからこそ、一層すてきに映るのだと思います。


「物」大切にできぬ者に、すてきな生活を送れるはずもなく、ましてや豊かな人物になれるはずもなし。


今回のお手伝いで、ひたすらわが身を振り返り、猛省させられました。



2010年は自分の生活を見直そうと心に決める、そんな年の瀬。