あちら側の豚しゃぶ。

食べ歩きが大好きですが、東京の東側のお店はほとんど分かりません。
物理的に家から遠めだからというのもありますが、自分の住まいも友人たちの住まいも、学校も、今まで勤めてきた会社もすべて西側に属していて、東側にはまったく馴染みがないからです。
銀座、日本橋、谷根千、上野に至っては、池波正太郎や嵐山光三郎など、わたしの大好きな食に関するエッセイに登場する機会も多いエリアであり、有名店多数のエリアであり…そりゃあ気になるので、機会さえあれば探究してみたいものだと常日頃思ってはいます。思ってはいるのですが、土地勘もなければ、ご縁もなく、たまに散策していても、「この余所者が！」という目で見られているような、なんだか落ち着かない気分になるのでした。

いつかあちら側に住んだり勤めたりすることも、人生のうちではあるのでしょうか。というか、東京以外のどこかに住んだりすることが、今後あるのか、というところから。いまだ、未知の未来。

というわけで、あちら側の住人である先輩と食事に行きました。
わたしの交友関係では数少ない、あちら側の方。というか、代表。

鍋の季節になってきましたねということで、銀座の羅豚という、豚しゃぶのお店に連れて行ってもらいました。
こちらの豚しゃぶ、細く切った長ネギを鍋が真っ白になるくらいたっぷりゆでて、その表面で黒豚をしゃぶしゃぶする、という方式をとっています。そうすると豚も沈まないし、色づいた薄〜い豚さんでくるっと長ネギを丸めこんで、そのままぱくっといただけるのです。ヘルシー！
付けタレはごまダレでもポン酢でもなく、あっさりしたそばつゆ。〆はおじやでもうどんでもなく、お蕎麦。
喉ごしがよく、胃にももたれない、大人の豚しゃぶでした。美味。ごちそうさまでした。

豚しゃぶ・せいろ蒸し 銀座 羅豚 はなれ
03-6808-1555