かかってきた電話に応えて、近況として隆慶一郎吉原御免状』にたいへん夢中になったことを告げると、相手がハッスルしてしまい、大層な長電話になる。

吉原御免状 (新潮文庫)

吉原御免状 (新潮文庫)

中高生の頃はよく長電話をした。友達と、好きな彼と、いろいろと。2時間も3時間も。
今となっては、一体なぜあんなに長く話すことがあったのか想像もつかないほど、電話での長い会話からは遠ざかってしまった。メールという文化が発達したせいもあるし、大人になったせいもあるだろう。
あり余るほどのものも枯渇するほどのことも、もはやたしいてないのである。


しかしたまにはこういうのもいいなと思う。興味のあることについて自分よりももっと造詣が深い人と話すことは、やっぱり楽しいのである。隆慶一郎は『影武者徳川家康』もいいらしい。読んでみましょう。