藤田容介監督『全然大丈夫。』を観ました。

荒川良々岡田義徳が三十路直前のダメダメな幼馴染み同士という設定、彼らが揃って、これまたさえない木村佳乃に恋をする、という物語です。田中直樹(ココリコ)、蟹江敬三白石加代子、きたろう…エキセントリックなキャスティングです。字面だけ見ると木村佳乃が浮いてしまいそうですが、佳乃がパッとしない(ハンパなくパッとしない)役を見事に演じていました。こういう、顔の造りはとっても美人なのに華やかさがないゆえまったく目立たない人って、いるいる。で、そういう女性をうまいこと発掘する男性も、いるいる。
まあでも、恋って得てしてそういうものかもしれません。美人とかスタイルがいいとか、目に見えて分かりやすい理由がなくても、落ちるもの。この映画はそんな恋のはじまりを、とってもリアルに描いています。
木村佳乃、以前は優等生的な美しさがつまらないなと思ってしまっていましたが、最近美しさに妖艶さが加わって、すごく魅力的な女優さんになってきたと思います。