行定勲監督『きょうのできごと』を観る。

きょうのできごと スペシャル・エディション [DVD]

きょうのできごと スペシャル・エディション [DVD]

行定監督の描く映像世界は好きなほうなのだけれども、どうもいつも脚本にセンスがないように思える。
というか、ファンがいるのは理解できる、好きな人はきっと執拗に好きなのだろう。しかしわたしとは友達になれそうもないね、ということだ。小説でいう江國香織みたいなもの。
美しすぎる。人生は善いことだけじゃないんだよというエクスキューズまで含めて、きれい事に感じて白けてしまう。ハッキリ言って、ちょっと気持ち悪いのだ。
明らかに師匠の岩井俊二の世界観を踏襲しているのだろうけれども、岩井監督も好きでないながら、まだマシだと思う。この違い、わかってくれる人はいると思う。
ふつうの人々によるふつうの1日、ということなんだけれども…うぅーん。撮りたかったものは分かるんだけど、この作品を製作する必要があったのかな?キャストは豪華ながら、みんな自然体ぶるキムタクのような、白々しいカンジだった。
むげに批判しきるのではなく、解らなくてごめんなさいとファンの皆さまに向かって謝りたい、そんな作品でありました。