すべて世は事もなし

時は春、
日は朝(あした)、
朝は七時、
片岡に露みちて、
揚雲雀(あげひばり)なのりいで、
蝸牛(かたつむり)枝に這ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。

ロバート・ブラウニング・作、上田敏・訳『春の朝』 

 

 

The year's at the spring
And day's at the morn;
Morning's at seven;
The hillside's dew-pearled;
The lark's on the wing;
The snail's on the thorn:
God's in His heaven-
All's right with the world!

Robert Brawning, from Pippa Passes

 

ホームにて。発車直前の電車を指さして「この電車は町田に行きますか?」と聞いてきた60代女性に「行きますよ!」と答えて電車に押し込んであげた。

道端にて。雨に滑って自転車ごと横倒しになった60代女性の荷物を拾い上げて、自転車を起こしてあげた。

なぜだか通りすがりの60代女性に2度手を差し延べた本日。一日二善を施したので、少しは欲のままに振舞ってもよい気もしたけれど、二人とも母ほどの齢の女性であった。今日はもう悪さはできないのである。