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本を読んでいない。

昨年、遂に本の仕事から離れた。

何度職場を変わっても15年以上続けてきた仕事だから、それなりの信念ややりがいを持ってやってきたつもりだった、でも業界を離れるに当たって、思っていたより身を切るような思いはしなかった。

新しい仕事は知識も経験もない業界、毎日壁にぶち当たっては乗り越えようともがく日々、憂鬱な気持ちになることもある。けれど、元の業界に戻りたいとは不思議と思わない。

潮時だったのだろうなと思う。

 

先日は友人の13回忌だった。

15歳で彼と出会ってから一緒に過ごした年数を、彼が亡くなってから過ぎた年数が超えてしまった。

あの頃は毎月毎月一緒に飲んでいたけれど、一緒に30代を迎えることができていたら、今でも変わらず会えていただろうか。それとも結婚して子供ができて、すっかり疎遠になっていただろうか。意味のない仮定だけれど、彼が生きていたならば、私の人生は確実に今とは違っていたと思う。彼の他の近しい友達だって、きっとそうだ。人ひとりの人生は、それだけ大きなものだ。それをあの時彼に伝えられたらよかった。

この先15年、20年、私は何度でも後悔するだろう。でもそれは癒したいとか忘れたいとかではない、ただそこにあり続けるもので、私の中を一生たゆたい続けるものだ。

生きていくということは、大なり小なり、解決のできない気持ちを受け止め続けるものなのだろう。

 

ただただ、彼と一緒に年を重ねてみたかった。この齢になっても尚、昔と同じように浅はかなことをしたときに、彼を呼び出して打ち明けて、笑い飛ばしてほしいと、今でも時折思うのだ。