おおきな木。

台風一過、東京農大の収穫祭へ。
あまりに混んでいたので、夕飯はタヴェルナ・アリーチェへ行きました。

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アンティパストも各種パスタも本当に美味。青山や麻布でもっと高いお値段をつけて商売しても、たいへんな人気店になるだろうなといつも思います。
でも世田谷の片隅で、地元の人たちが気軽に美味しいイタリアンを食べられる場を作ってくれたのが、このお店の功績であるとも。
カウンター越しに世間話をしてくれるシェフの方の、気さくな人柄もステキ。

食後にサービスしていただいた自家製のリモンチェッロ。レモンの味が効いていて、う〜ん、これまた稀有な邂逅。


そして、農大で購入した焼酎を堪能。

なんだかキュウリの味がするような。


小さな頃に大好きだった『おおきな木』。

おおきな木

おおきな木

はじめて読んだ原書と、村上春樹氏の新訳と、旧訳を読み比べるという体験。村上春樹氏の翻訳の方が、旧訳よりも原書に忠実でダイレクトな訳です。「今」という時代に合っているのだろうな。翻訳も生き物であり、移り変わるもの。
あとがきを読んで、この物語の真髄、そして、物語の持つ力を再認識しました。わたしはハルキストではないけれど、何かしら凄いものを持っている作家ではあると思っている。


友人が『おおきな木』に出てくる木がわたしのようだと言いました。
無償に与え続ける母性。うーん。
でもわたしはやっぱり、与えるばかりではなくて、時に未熟なわたしの道を軌道修正してほしいし、話しているうちに何かしら拓けるものを得たいし、何よりわたしの気持ちを考えてほしい、分かってほしい。


束の間に気持ちよかったり楽しかったりするばかりでは、いたずらに時間が経ってしまうだけだ。それだけでは、もうこの先どこへも行かれない。


わたしは本当に友人に恵まれている。
それはかけがえのない財産で、いつもいつでも、いくら感謝しても足りない。