佐藤雅彦ディレクション“これも自分と認めざるをえない”展に行きました。


わたしは佐藤雅彦氏がとても好きです。
彼のつくったものはいつも、日常で当たり前に通り過ぎていることに気づかせてくれたり、意識して見ていないものを眼の前に並べてくれたり、小難しいものをとても分かりやすいものに変換してくれたりする。希望や勇気を与えてくれる。そして何より単純に、面白い。


今回の21_21 DESIGN SIGHTでの展示も、期待に違わずでした。
入館したらはじめにそれぞれブースに入り、目の虹彩・背丈・体重を記録します。そしてそれぞれの展示に進む、主に体験型の展示スタイル。


自分の個性がいとも簡単に大衆に埋没すること、反面、自分が唯一無二の「個」であることを、認識させられます。揺らぎます。



これは観なくては分からない体験!11月3日まで!もういっかいでも行きたい!


読みかけですが、この展示を特集した先月の美術手帖に載ってる佐藤雅彦氏のインタビューが読み応えあります。氏と交流の深い、小沢健二のエピソードが素晴らしい。

美術手帖 2010年 10月号 [雑誌]

美術手帖 2010年 10月号 [雑誌]

「何者かにならなくてはならない」という、自己実現への脅迫観念。「生きる意味」についての葛藤。
若い時には陥りがちな悶々で、後者なんかは若くなくても考えてしまう、答えなんてないのにね。
でもホント、奮いにかけられて捨てられたからって、たいそうな意味を見出せないからって、あきらめる必要なんてどこにもない。


世界において必要とされるところにいて、やれることをやるだけ。
人はもっとシンプルに生きられる。