せつない気持ち。
雑誌ブルータスの最新号の特集、各地で話題になっています。
BRUTUS (ブルータス) 2010年 11/1号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2010/10/15
- メディア: 雑誌
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それにしても、ブルータスってそもそもどういうコンセプトの雑誌だったんだっけ?
…「高収入層向け」、か… 読んじゃってごめん。
各界の識者が挙げる『「せつない」もの』は、「ふ〜ん。みんなやっぱこんなところだよね」と流し読むカンジでしたが、『英語で「せつない」ってどう言いますか?』という、柴田元幸×ロジャー・パルパースの対談に興味津々でした。
「せつない」を英語でどう言い表すか、というのは、英語を使用する日本人なら誰でも一度は考えることじゃなかろうか。話題に上ったことも幾度となくあります。「懐かしい」は英語のワンワードでは表せないから日本独特の感性だと言うけれど、「happy」に100%対応する日本語も厳密にはない。同義語がないからといって、その言葉を使う人々に同様の感情がないということはない、というようなことをお2人が言っていて、正にその通りだと思う。アメリカの映画やドラマは「せつなさ」で溢れているもの。
この対談、もっと長バージョンで読みたい。
ところで、小田和正の歌は、たぶん日本人で小田和正を聴いたことがある人なら、たいていが「せつない」と思っていると思います(ブルータスの特集でも箭内道彦が触れている)。
たしかにあの人の声はせつなさ代表みたいな声なんだけど、歌詞の内容は割とざっくりしてる気がします。
『さよなら』なんかは一見せつなそうだけど、「愛したのはたしかに君だけ〜♪」って歌い上げているところなんかは、尾崎紀世彦ばりに清々しい。
今の季節にぴったりの『秋の気配』。メロディに騙されてせつなくなりそうになるけれど、自分の意志である別れを華麗に人のせいにして、美しいものに仕立て上げて浸る気配でいっぱい。結構身勝手な歌詞だと思うのですが、どうでしょう。
男の人のおセンチ、なのかな。
秋になると聴きたくなる、好きではある曲なのですが。
本や音楽でせつないものなんて大量にあるけれど、今「せつない」でパッと思いつくのは。
■尾崎放哉の俳句。
- 作者: 尾崎放哉,伊藤完吾,小玉石水
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2007/04
- メディア: 単行本
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■竹内まりや『駅』。
あと5年後くらいに、電車内で20代のときに好きだった人を見かけたら、声もかけられず、こんなカンジになるだろうなと妄想します。
■麻生久美子のたたずまい。
■テノーリオ=ジュニオルのピアノ。
■石川賢治の写真集。
- 作者: 新井満,石川賢治
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1990/10
- メディア: 大型本
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いやしかし、振り返ってみると、自分が好むいろいろってすべて、何もかもが、「せつない」要素を含んでいる気がしてきます。
まだまだあるなあ。続く。