映画を観ていない。

今年は映画を観ていないことに気づきました。ここ10年にないくらい。たぶん10本も観ていないのでは?
観たい映画がなかったわけではなく、ミッシェル=ゴンドリーとか、観たくてもなんとなく行きそびれてしまった作品が多いです。
そのぶん一体何をしていたかというと…まあ、転職を重ねたり芋づる式に友達がつながったりで年々交際範囲が広がり、飲みに時間が割かれているということもありますが…例年よりも海外ドラマを観ていたような気がします。
海外ドラマ、『24』ブームをきっかけにいろんな作品がレンタルされるようになって、嬉しい限りです。


この秋に観て、意外にもハマッたのが『フォーサイト家』。

フォーサイト家 ~愛とプライド~ シーズン1 DVD-BOX

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19世紀から20世紀初頭にかけてのイギリスの上流階級社会が舞台なのですが、フォーサイトという一族の三代にわたっての愛憎を描いた壮大なメロドラマです。
はじめは、ビクトリア王朝かあ、時代物はちょっと…なんて思ったりしたのですが、まず、アメリカのドラマばかり観ていたので、これでもかというほどのブリティッシュ・イングリッシュが新鮮で心をつかまれます。そして次に、出てくる人たちのキャラが皆濃厚で、人間関係の糸が面白いくらい絡まるわからまるわで…目が離せなくなります。
韓流ドラマのような突拍子もない、あるいは日本のドラマのようなご都合主義な展開はなく、時代背景設定がしっかりしていて、それに伴う心情の機微が丁寧に描かれているから、たいへん見応えがあるのです。
特に、ソームズというストーカーの走りのような男。必見です。
彼は、はじめは画面のこっち側で悲鳴をあげてしまうくらい、たいへん気持ち悪いのですが、何巻か観進めて20年くらい経つと、相変わらず気色悪いながらもそれが物哀しくなり、いとおしさすらおぼえはじめます。
ああ、月日って。


この『フォーサイト家』、結構稀少な(というより人気がない?)作品のようで、TSUTAYAなどのレンタル店店頭では置いていない店舗も多いです。ネットでは配信しているサイトがいくつかありますが。
http://www.showtime.jp/special/cinema/forsyte/



そして今は、『LOST』の最新シーズンを進めつつ(今までのシーズンで一番面白いかも!)、『ブラザーズ&シスターズ』も観ています。

ブラザーズ&シスターズ シーズン1 コレクターズBOX Part2 [DVD]

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5人の兄弟姉妹+母のウォーカー一家を中心に、恋愛・仕事・家族、将来と過去、夢と現実、各世代の様々な葛藤を描いたドラマです。
家族っていいなあ、とジーンとくる場面が各回に必ず用意されていて、結構泣けます。


それにしても、『SATC』にしろ『Lの世界』にしろ『ブラザーズ&シスターズ』にしろ、アメリカのドラマの登場人物の心情描写の繊細さには、いちいち目から鱗です。脚本家や役者の巧さおかげか、あるいは膨大な予算のおかげか。残念ながら、日本のドラマは敵いません。
わたしは外国で育っていて外国人との接点が多いながらも(多いから、か?)、「アメリカといえばスーパーサイズでしょ、頭と口が直結でしょ、白と黒しかないでしょ、風流とかわからないでしょ」とアメリカ人に偏見たっぷりな方なのですが、こういうドラマを観ていると、アメリカ人とも解りあえそうだな、と感じ入るのでした。
いや、むしろ、彼らの方が何倍も深みがあるのではないかしらー。だー。