半期に一度のお楽しみ。

行ってまいりました、ワコールビッグバザール@新宿伊勢丹。下着のセールです。


わたしは洋服が好きですが、下着も好きです。
他人様にお見せするような身体ではないので、見せるためというよりは、自分のため。
発色がきれいだったりレースが美しかったりするものを身につけていると、それだけでウキウキ、気持ちが華やかになるからです。
落ち込んでいるときには特に効果大。
それでも、下着は下着なので、デザインだけではなく、付け心地や服に出るラインもとっても大事。
洋服が、ひと口に「Mサイズ」と言ってもブランドによって微妙に袖丈や身丈が違うように、下着(特にブラジャー)も、同じサイズでもメーカーやラインが変われば相当形が違います。
女を30年強もやっていると、「ここのラインは自分の身体に合う、そのうえステキ!」という傾向と対策が固まってきます。
そんなお気に入りが、わたしにとってはワコールの某ラインたち。
女性ならお分かりと思いますが、正規の値段でワコールの高額ラインの下着をバンバン買うと、下着だけで一財産を築くことになるので、30〜50%オフになるこのビッグバザールは、垂涎ものなのです。


というわけで、5〜6年前にはじめて訪れて以来、このセールに参戦することが、半年に一度の習慣になっています。
洋服のセールにはあまり足を運ばないのですが、ワコールビッグバザールだけは別。


伊勢丹の催事場で開催されるこのセール、毎回たいへんな賑わいを見せます。
そこらへんの洋服のセールとは殺気が違います。
後から後からわいて出てくる大量の老若女性が、パンティの山をひっくり返し、ブラジャーをひっつかみ、押し合いへし合い、あられもない欲望を露にするのです。
「これとセットのブラジャーは!?」
「これと同じ形で黒はある?!」
美人OLも品のあるマダムも、揃って必死の形相。ブラジャーが空を飛んだりします。いや、ホントです。
とりあえず掴んでは入れ掴んでは入れ、催事場用の袋が大量のブラジャーとパンティでサンタクロースの袋みたいにパンパンになってる人たちもいます。
そんな人たちはもちろん全部お買い求めになるわけではなく、ひと通り掴みきった後、端っこで地べたに座りこみ、ホントに欲しいものとそうでないものを振り分けるのですね。
色とりどりの大量のブラジャーがフロアに積み上げられる様、なかなか圧巻です(←ホントは禁止)


伊勢丹の社員だかバイトだか、毎回若い男性が何人か会場整理のためかりだされていますが、皆一様に表情が硬いです。彼らにとっては、女性たちのあの姿はこの世のものとは思いたくない、地獄絵図なのではないかと思います。
まあ、カップルで訪れる人もチラホラいるのですが、男の人は大抵バツが悪そうに、遠巻きに待っています。


が、今回、それこそこの世のものとは思いたくないカップルがいました。


ワゴンを一心不乱にあさっていたところ、それまでの場の熱気にはそぐわないひんやりとした空気を感じたので、顔を上げてみました。と、斜め後方に推定30代後半のカップルが。
女(ピンクの電話の清水よっちゃん風の声で)「○○くん、最近は何色がすきぃ〜?(くねくね)」
男「え〜××ちゃんは天使みたいだから(!)白が似合うけど〜たまにはこういうのもいいかな(紫のTバックを手にとる)」
女「え〜エッチィ〜(くねくね)」
男「え〜似合うよ〜(女の股間にTバックをあてがう!なでる!)」
女「そうかなあ(男の首に腕をまわす!)」
男「そうだよ〜想像しちゃうなあ〜グフフ」
女「もう、○○くんったら〜あ」
男「これはこれは〜?(ショッキングピンクのブラジャーを女の胸にあてがう!なでる!)」
女「派手だよ〜ぅ」



公共の場ですよ?蛍光灯が煌々と照ってますよ?超人ごみ、しかも女性ばっかですよ?
せめてモデルや芸能人ばりのルックスの2人であってほしかったのですが、東海林さだおのマンガに出てくるサラリーマンとOLみたいというか、とにかく至って凡庸で地味なたたずまいで、それがかえって生々しいというか淫靡というか…
気持ち悪いーーーー!公然わいせつ罪だーー!
周囲の女性たちは皆同じ気持ちだったようで、おしくらまんじゅう状態の会場の中、そのカップルの周りにはきれ〜に空間ができていました。


まあ客観的に見たら、一般男女の求め合う姿って、概してあんまり美しくない、気持ちのよいものではないのかもしれませんね。恋は盲目といいますが、気をつけたいものです。
とりあえず、戦利品を眺めて気分を取り戻したのでした。