岩松了監督『たみおのしあわせ』を観ました。

岩松了が監督で、キャストがオダギリジョー×麻生久美子という、『時効警察』シリーズを彷彿とさせるメンバー。
でもこれは偶然なんですって。実際、オダギリジョー麻生久美子も『時効警察』をは似ても似つかない演技&役柄でした。


田舎町に父と二人で暮らす地味で内気な青年が、父の上司の紹介でお見合いをし、結婚への準備を進めていく。そこへ、父や結婚相手も含めた周囲の人々の思惑や事情が交錯し…


という物語です。
どう落としこむのかと思ったら、終盤で仰天。抱腹絶倒。館内がひとつになったのを感じたラストシーンでした。『結婚』と並列して『親子愛』がテーマだったいうか…。


『幸せ』というのは、決して他人の尺度では計れないものであったりします。
世間一般でよしとされているように、適齢期で結婚して〜子供を産んで〜家庭を持つこと、それが果たして誰しもにとって本当に『幸せ』なのかどうか。自分にとっての『本当の幸せ』とは何なのか。
それをゆる〜く、あくまでもゆる〜く問いかけてくる映画でした。


さすが岩松監督、普通だけどどこかしら滑稽な人々がたくさん出てきて、あちこちで笑えます。
オダギリジョー、いつものワイルドで個性的なカッコよさが完全に封印、「こういう人アキバにいる!」っていうダサっぷりを好演。
長袖ポロシャツを第一ボタンまで留めて、タックつきのチノパンにイン、その上からマドラスチェックのブルゾンって…真っ白い靴下って…おまけに真っ黒な髪の毛をひとつに束ねちゃって…靴も2980円くらいみたいだし…ジョー、あっぱれ。
お父さん役の原田芳雄は、作業服を着た田舎のおじさんでありつつもモテるという役柄、カンペキですてきでした。
麻生久美子、ああいう業というか性というかを抱えてしまったワケアリな女性というのはいるだろうな〜と思わされます。さりげなく悪女。その他、大竹しのぶ小林薫冨士眞奈美石田えり忌野清志郎カメオ出演!)などの面々も、さすがのアクの強さでした。


音楽は、勝手にしやがれ。劇中でライブも観られます。

ゼン・サマー・ケイム

ゼン・サマー・ケイム