旅に出てきました。

遅い夏休み、2泊3日で温泉に行ってきました。
温泉、といっても草津やら箱根やら、はたまた乳頭やら黒川やらっていう著名なそれではありません。
前提として、①お金がないので近場②人が少ない③滝が見たい、という条件があり、ネットでささっと検索した結果、群馬の奥地にある上牧温泉というところへ行ってきました。


…どこ?
ええ、確かにどこ?っていうほどなんにもないところでした。


最寄の駅周辺、こんなかんじ。
新幹線の止まる駅からは車で15分程ではあるのですが、今回の私たちは徒歩かつ鈍行列車の旅だったため滞在中は、上牧駅というローカル駅を活用。ここ、1時間に1本しか電車がありません。電車、3両です。










しかし、意外にも宿はとってもすてきなところでした。
「民家造りの旅籠 庄屋」です。
http://www9.wind.ne.jp/kohtoku/hatago/
古いお屋敷を移築した建物だそうで、なんとも風流な民家仕立て。縁側や囲炉裏があり、よく手入れされたお庭もすてきで、なんといっても桧の内風呂がとっても気持ちよい!家族4人くらいがやっと浸かれるようなシンプルで小さめのお風呂なのですがその大きさがまたちょうどよく、お湯も比較的ぬるめで、いつまでも浸かっていたい心地よさでした。
お料理もどこの有名な料亭かと思うくらいすばらしく美味で、盛りつけも惚れぼれするほど芸術的、盛りだくさんでした。これまで行った旅館で随一というほど、質・見た目共にすばらしいお料理でした。
特筆すべきは、季節はずれだったせいか、私たちひと組しか宿泊客がいず、3日間お宿まるごと貸切だったこと!もともと1日2〜3組しかとらないお宿ではあるようですが、めったにできない贅沢でした。


吹割の滝という滝を見に行ったり、
(荘厳。「日本の滝100選」に選ばれているらしいです)
谷川岳に登ってみたり、
(残念ながら雨でしたが、近代的なロープウェーから見える山河は雄大でした)
観光らしきこともしましたが、多くの時間は、鈍行列車を待ち呆けたり、バスの窓からボーッと山や川を眺めたり、月を愛でたり、くだらない話をしたり、ゴロゴロしたりしていました。
マイナスイオンたっぷりの中で、「なんにもしない」ということをのんびりと満喫。





子どもの頃とか学生の頃とか、こんな時間はわたしのふところにたっぷりなみなみとあったはずなのに、まさかあの時間がこんなにもありがたいものであったなんて、その最中にいた際には露とも思いませんでした。
幸せということは、得てしてそういうものなのですね。


高崎の『栄寿亭』でカツ丼を食し、
http://machi.goo.ne.jp/027-322-2740
(370円!卵とじで420円!)
富岡製糸場女工の怨霊を探して、
http://www2.city.tomioka.lg.jp/worldheritage/index.shtml
(レンガ造りの美しい工場でした)
帰路につきました。



「なんにもしない」ということを、この先の人生で一体どれだけできるのでしょうか。
いや、「なんにもしない」時間ばっかりだったら、それはそれで問題なのですが…