大阪考。

ところで、大阪の街を歩いてまわったのは、わたしは今回が生まれて初めてでした。同じ関西でも京都や奈良は、友人が住んでいたこともあり、何度か訪れたことがあったのですが…日本といえば東京、しかも西側にしか住んだことのない私にとって、ウワサどおり大阪の街は衝撃的なところでした。
皆までは記しませんが、ひとつだけ。

地下鉄のホームへと駅の階段を降りていた際のことです。
わたしたちの後方から、バイピングをあしらった品のいいセットアップをまとい、髪も吉川十和子風にきれいに巻いた、楚々とした30代半ばくらいのお母さんと、きちんとプレスされた紺色のプリーツスカートを履き、お母さんと同様に育ちのよさそうな、小学校低学年くらいのお嬢さんが歩いてきました。ああ、大阪は派手好みというけれど、こういう親子もいるんだ…と感心していたその時、ホームに電車が入ってくる音。あ、急がなきゃ、とわたしたちが慌てると、後方の親子も駆け足に。というか、猛ダッシュに。


母:「○○ちゃん、急ぎや!」
嬢:「急いでるがな!」
母:「あ〜もう、先に走ってあんたがドアに挟まって電車止めとき!」
嬢:「なんや、挟まるのいややわ!」



…は、挟マル?わが子を挟メル?挟メレバ?ってかその金切り声は?と、十和子はどこ?…

まあ、その親子のおかげで電車にも間に合ったわけですが…。
大阪って、たくましい。