阿佐ヶ谷スパイダース『少女とガソリン』を観ました。

スズナリのいつもの階段は赤いビニールで覆うという演出がされていて、入口からして何やらただならぬ雰囲気。ただでさえ狭くて急で昇り降りが恐い階段がより一層おそろしく。
いつも疑問に思いますが、小劇場はいわゆる消防法というのクリアしてるんでしょうか。
それはさておき、相変わらず、凄い舞台でした。
世間からつまはじきにあい虐げられた街、その片隅にあるさびれた居酒屋に集まる、うらぶれた男たち。そんな男たちが、自分たちの心のミューズであるアイドル歌手とそのマネージャー、ゆきずりのバックパッカーらを巻き込み、都市開発の波に抗う計画を立てるのですが…ざっくり言うと、そういうお話でした。
同和問題が背景にあるのでしょうか。社会の底辺に生きる人々というあたり、設定がやや千葉雅子っぽいなと感じました。ゲスト出演者へのオマージュ?
相変わらず血みどろな舞台、客席前列の方々は血しぶきを浴びること必至だったのでは。役者さんたちの演技も迫力でした。特にイケテツの演技が鬼気迫るものがあり、ぞくっときました。しかし、身体を張った舞台のためか、皆さん少しお疲れのご様子もあり。
スズナリ規模ならではの臨場感、これが本多劇場とか、もっと広い劇場であれば、また違った演出になったのでしょう。
客席に吹越満クドカンがいました。
吹越満については、運命じゃないかと思うくらい、劇場で街角で、よくお見かけします。少し痩せた?とか、もはや知り合いのような気分です。見ず知らずの人間にこんなふうに思われてしまう、芸能人ってたいへんですね。