三浦しをん『私が語りはじめた彼は』

おすすめの本の話になると、いまだに3年ほど前に読んだこの本を挙げてしまいます。
それほど強烈な印象を与えた本だったのに、なぜでしょう、どういう内容だったかは具体的には憶えていないし、説明できないのです。

私が語りはじめた彼は

私が語りはじめた彼は

三浦しをんはまだ20代(当時)なのに、こんなにも人間の心の機微や深淵を解し表現できるものなのか、という衝撃、同じ本を読んだ同僚とかわした感想、同僚の興奮した表情、一編目を読んでいるうちに動悸が早まっていったこと、震えたこと、胸がきゅうっとしめつけられたこと、少し泣いたこと…本にまつわる気持ちや状況ははっきりと憶えているのに、内容のディテールだけが思い出せません。
感動というのは、得てしてそういうものなのでしょうか、あるいはわたしの記憶力の問題でしょうか。
初めて読んだ際は会社の借り物だったので、また近いうちに自分で購入して読み直したいです。