少女マンガと妄想
先日、週刊文春で少女マンガの性描写がいかにエスカレートしているか、という記事を読みました。
記事自体はその事態を糾弾する、というよりは読者層であるおじさんをウハウハ喜ばせるような内容であるように思いましたが、たしかに『僕は妹に恋をする』とか『快感フレーズ』とかは、昔わたしがローティーンの頃に読んでいた月刊誌には載っていなかったような、過激な内容だと思います。過激なマンガは当時も存在しましたが、耳年増な一部のコたちがこっそりと、おそるおそる読むものであり、決してベストセラーになるようなものではありませんでした。
最近の女の子たちはこんなのばっかり読むのかと思うとさすがにちょっとびっくりしますが、ベストセラーの少女マンガにも、エロの真逆をいく、とってもピュアな作品がありました。
- 作者: 椎名軽穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: コミック
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暗い見た目のせいで「貞子」と呼ばれ学年中から敬遠されている主人公の女の子が、学年中の人気者である超さわやかなクラスメートの男の子によって少しずつ変わっていき、周囲と馴染みはじめ、はじめての恋をする…というラブコメなのですが、ありきたりなようでいて、とっても胸キュン。
主人公の女の子は容貌のせいで周囲から誤解を受け続けたため、17歳にしてまったく世間ずれしていなく、水揚げしたばかりの草花、あるいは生まれたての赤ちゃんのような感覚で、友達との交流や男の子との恋に日々舞い上がったり落ち込んだり。そんな彼女の新鮮で純粋な感動が、胸を打つのです。
少女マンガの主人公よりかるく10歳以上年上で、すっかり錆びてしまっている今になっても、なぜ少女マンガが好きなのでしょう?もうとうに知ってしまっているがゆえに、現実では2度と体験できない「”初めて”の感動」を、追体験しているカンジがいいんでしょうかね。感動をもう一度、というような。妄想好きならではでしょうか。
まあ、もう一度10代に戻りたいとは思わないけれど、「学校」はうらやましいです。
好きな男の子と隣りの席になったり、わざと同じ委員会に入ったり、学校帰りに寄り道したり、教科書を貸してもらったり、体育祭で目で追ったり…嘱望しても、2度と味わうことのできない現場です。
『ラブ☆コン』も、途中まで好きでした。
- 作者: 中原アヤ
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