クリスマスについて

うちは母親だけがなぜかプロテスタントという家庭なのですが、この時期に母親が居間いっぱいにクリスマスのオーナメントを並べせっせことクリスマスリースを編み出すと、ああクリスマスなのだなと否が応でも感じさせられます。
キリスト教では11月30日に最も近い日曜日から4週間をアドベント、つまりは降誕節と呼び、この4週間、うちはムリヤリクリスマスです。家中が赤やら緑やらに飾られ、イヴに聖歌隊で歌うために母は猫でさえ迷惑がる自主練をはじめ、25日にはムリヤリ鶏を焼くのです。

思春期には、一体この母はどこの国の輩だ、と疎ましく思ったものですが、気難しく宗教を持たない父が、なぜ母のクリスマス浮かれには苦言を呈さないのか、今になってみるとなんだか分かる気がします。
この時期の母は、なんだかいつになくウキウキしていて、子どもみたいでかわいらしいのです。
しかしこの母がさらに老いたら、わたしが代わりにこの催しをやってあげなくてはならないのか、なんだかそれは面倒だな、ってかクリスマスよりお正月だろ、お正月が楽しいだろ…と少し憂いながらも楽しい、冬のはじまりです。