角田光代『この本が、世界に存在することに』

本をめぐる9つの短篇集なのですが、一篇ごとにマージンやフォント、行送りのサイズが違うのです。あたかも違う9つの本を読んでいるかのように。さすがに紙までは変えられなかったようですが、こういう遊び心はすてきです。
この物語自体はWEBダ・ヴィンチに掲載されたいたときにほとんど読んでいたのですが、単行本のみ収載の角田光代のあとがきが秀逸、本を愛する人ならば誰もに染みいるのではないでしょうか。