田中誠監督『タナカヒロシのすべて』を観にゆく。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2005/11/23
- メディア: DVD
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映画自体は、ムダに地味な設定(かつら工場に勤める30代パラサイトシングル男)の鳥肌実が、たたみかけるように不幸になっていくお話。鳥肌の挙動があまりに妖しく、終始グフグフと笑いを誘う。でも、なんだかこんな地味な男もどこかに居るような気がしてくるほど、工場、自宅、カルチャースクールなどのディテールは緻密。
脇の役者さんたち、なべてヒトクセふたクセ。特に俳句とテルミンの会主催の伊武雅刀がサイコー。大好きなスネークマンショーを彷彿とさせました。
しかしこんな鳥肌主演の映画、もう二度とないだろうな。タナカヒロシ?とかはあり得そうだけど。
お誕生日プレゼントをもらう。
アロマテラピーアソシエイツに韓国美容グッズ。人の頭から草が生える植物も。太陽の塔も。ほくほく。ありがとう。
しかし実家に戻ったのでお風呂には父も浸かる。ベルガモットやローズの香りのする壮年オジはいかがなものでしょうか。
とっても、とっても悲しいメールをもらう。
もうこの先一生、一点の曇りもなく晴ればれとした気持ちにはなれないだろうと思う。このどん底からは這い上がれたとしても、いつも喉元で何かがつかえたままだろう。もしいつか同窓会に出られることがあったとしても、自分のできなかったことや知らぬフリをした仕打ちを、繰り返しくりかえし思い出すだろう。
それでも、それでも生きていかなくてはならないなんて。
何も死にたいなんて思わない。でもどうしても生きていきたいと思う希望など、見つかる気がしないのだ。