リチャード=リンクレイター監督『恋人までの距離』を観る。

この映画は高校生の頃にビデオで観たはずなのだけれど、憶えていない。淡々としていたという印象しかない。しかし、現在の会社の社長がたいへんなラブストーリー好き、最近公開していた『ビフォア・サンセット』と併せて大絶賛なのであった。観なおすしかないのであった。
とにかく会話の羅列である。男女が出会い、1日かけて延々と会話をし、別れていくのである。それだけの映画である。しかしそれがこんなに心に残るとは思わなかった。絶妙な脚本だ。
会話自体はたわいもない理想や思い出や哲学の話ばかりなのだけれど、2人が惹かれあっていくのが手にとるようにわかる。ああ、この2人はとても合うな、と観ているこちらが実感するのだ。恋愛における会話はとっても大事だと思う。
旅先の電車内で出会って一晩だけ一緒に過ごす、という設定は一見夢物語のようであるが、とてもリアルな恋愛映画であった。