朝から上野毛五島美術館へ茶碗を観にいく。
室町〜桃山時代の名碗を100点以上も展示した特別展、とのこと。
しかし、わたしはド素人。
瀬戸焼美濃焼備前焼、みんな一緒に見えるわけじゃないけど、区別はつかない。だから、何となく、という感覚でしか語れないのだけれども。


長次郎黒楽茶碗が全般的に気に入る。
特に「千声」、という銘の碗に見入る。重厚で艶やかな黒が、非常に美しい。お抹茶の緑が品良く映えそうだ。
楽焼の茶碗というのは、轆轤(ろくろ)を使わないらしい。ので、口縁が波打っていたり角張ったりしていて、飲みやすいかどうかと言ったら、飲みにくいと思う。けど、実用性は論点ではないみたい。 そもそも実用性や機能性というのは、現代人の発想なのだろうか。不備の美。
茶道も焼き物も、もっと学んでゆきたいものだ。


その後、地元の駅に着いてから自転車の鍵を紛失していることに気づく。
寒さでかじかむ手で前輪を持ち上げ、駅前の交番まで運び、お巡りさんに鍵をぶったぎってもらう。あやうくタイヤに指が巻き込まれそうになり、青痣を指先という珍しい位置につくる。アイタタタ。われながら痛々しい。実際痛い。


そして夜は、初めての気功治療。
大通りのわき道に入った非常に胡散臭いビルの2階。
他人にマッサージしてもらうのは単純に気持ちいい。そして、終わった後はいつまでも身体がポカポカとあたたかかった。気、というヤツを体内に送ってもらったから、らしい。
四千年の歴史、恐るべし。
しかし。 たどたどしい中国訛りの日本語で、「キモチイイ?キモチイイデショ?」「イタクナイ?」とささやき続けられ、指で圧迫されているせいで息も絶えだえに、「は、はい…キ、気持ちいい…」と答え続ける…


なんだかとても、妙な気持ちになりました。