映画

その心ごと、生きていく。

ケネス・ロナーガン監督『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を観る。と言っても観たのは3週間も前。なかなか言葉に起こせない、けれど残しておきたい、そんな感情をもたらす作品だった。 生きていると、人は大なり小なり、生涯取り返しのつかないことをして…

日本警察史上、最大の不祥事

白石和彌監督『日本で一番悪い奴ら』を観る。 出先で、ふいに「時間あるし何か映画でも観ようか~」と思いついて、「そういえば予告編で観た中村獅童のヤクザぶりがハマってたな~実際の事件を基にしているのも興味深い、これにしようか」という軽い気持ちで…

今日だけは神様のことみんな信じてる

2015年最後に観た映画は橋口亮輔監督の『恋人たち』。 独りで映画を観ることはめっきり減ってしまったけれど、特に誘う人も浮かばないし誘われもしないのに自分はすごく観たいとか、今この時に観たいとか、周期的にそんな映画が巡ってきて、独りで映画館へ足…

夏の魔物に会いたかった。

大人の夏休みが終わってしまいました。 ええ、3ヶ月近く無職でした。 職はいくつか変えてきたけれど、 前職の間に職を決めなかったことははじめてで、 1週間を超えて休むことも、社会人になってから初めてでした。 「せっかくなんだから旅に出なよ!」とい…

マシュー=ヴォーン監督『キックアス』を観ました。

水曜日。いくつかの映画館で映画が1000円で観られる日。 なんだかどうしても気になる、どうしても観たい映画があって、会社帰りにシネセゾン渋谷まで走りました。間に合いました。マシュー=ヴォーン監督『キックアス』。 監督としては目立った公開作品がな…

映画づく。

GW以来、映画づいています。疎遠になるときはホントに観ないのにねー。 浴びるように映画を観ていた、高校〜大学生の頃を思い出します。 あの頃って映画はいくらで観られたのだっけ? 今は、プログラムを含めると1回の映画で2,500円程度はかかってしまう…

汚れちまった悲しみに。

わたしの勤めている会社は虫の息ですが、もうちょっと息が続きそうな親会社には、新入社員が入りました。 「○○社のために全力で頑張ります!」 「入社できて光栄です!」 「読者にすばらしい本を届けたいです!」 むず痒くなるような彼らの姿はとっても眩し…

郊外の映画館と『ラブリーボーン』。

いつ頃からなのでしょうか、都心の映画館は、とっても混むようになっていやしませんか。 なんでこんなに混んでいるのでしょう?指定席予約制が主流になったからでしょうか。シネコンが台頭したせい? 少し時間が空いたから上映開始10分前にふらりと立ち寄る…

山下敦弘監督『松ヶ根乱射事件』を観ました。

ゴロゴロしてばっかりの日曜日、焼肉を食べた後、またもやゴロゴロしながら映画を観る。ひさびさに堕落した日曜日。弛緩しきる。松ヶ根乱射事件 [DVD]出版社/メーカー: バップ発売日: 2007/08/22メディア: DVD購入: 2人 クリック: 78回この商品を含むブログ …

『THIS IS IT』を観ました。

わたしはマイケル=ジャクソンの全盛期と言われている時代にはまだ小学生だったので、ドンピシャ“マイケル世代”ではないのかもしれませんが、中学時代はマイケルに夢中でした。 当時住んでいた国では、現地のテレビはちんぷんかんぷんなので、観るものといえ…

キャサリン=ハードウィック監督『トワイライト〜初恋〜』を観ました。

数年前に、仕事の関係でステファニー=メイヤーの原作を読む機会があり、YA向けであるにも関わらず、ものすごーくキュンキュンしちゃいました。 吸血鬼と人間の女子高生の恋を描いた、本国イギリスでは大ベストセラーとなった作品です。 彼は本能的には彼…

沖田修一監督『南極料理人』を観ました。

食べることが大好きです。 おいしい飲食店の噂をきけば東へ西へ、ヒマさえあれば友人たちを集めて食べるタベルたべる、食についての本や雑誌や映像も大好き、あちこちからレシピを集めてノートに切り貼り、それを眺めては悦に入る…もはや趣味です、趣味。 し…

最近観た映画。

20代の頃に比べてめっきり映画を観る時間がなくなりましたが、この夏はDVDで劇場で、そこそこ映画を観ていました。 ■ミシェル=ゴンドリー監督『僕らのミライへ逆回転』 僕らのミライへ逆回転 プレミアム・エディション [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エ…

ジョン=ウー監督『レッドクリフ Part II 未来への最終決戦』を観ました。

お誕生会から流れて。 Part1の際にも、みんなで観ました。前後二列に並んで、ポップコーンをまわし食べ。独りでしっとり観たい映画も多いですが、こういうエンタテイメント映画は独りじゃ寂しい、みんなでワイワイ観るに限ります。 Part1は、DVDで観た友達は…

コーエン兄弟監督『バーン・アフター・リーディング』を観ました。

『ファーゴ』以来、コーエン兄弟の映画が好きです。前作の『ノーカントリー』以外は、全部観てます。 『ファーゴ』の際のパブを今でもはっきり憶えてます。 人の倒れた白い雪原、対照的な赤い血、そしてキャッチコピー「人間はおかしくて、哀しい」─コーエン…

さくら舞い散る。

花冷えで空気がひんやり澄みきっているからか、ここ数日、月がとってもきれいでした。 浅く切った爪みたいな、下弦の月。 慌ただしく2月と3月が過ぎてゆきました。 主に遊んでましたが、検定試験もかる〜く受け、転職に向けて動いたりもしてました(え、ま…

日記を本物の日記に。

というわけで、今年は毎日何かしら書き留めていきたいです。課題があった方が生きやすいのです。 と思った矢先に、何もない1日でした。 というより、会社の「冬休みの宿題」のせいで、こもりっぱなし…小・学・生・かー。 昨晩深夜に、ずっと観たいと思って…

ターセム監督『落下の王国』を観ました。

これまでたくさんの映画を観てたくさんの本を読み、たくさんの物語に感動してきましたが、口下手というか理路整然さに欠けるというか、わたしはそれらの物語を人に話して伝えることが、とても不得手です。 2つ前の会社では本を紹介する仕事をしていたので、…

中島哲也監督『パコと魔法の絵本』を観ました。

極彩色の映像は前評どおり、確かにティム=バートンを彷彿とさせましたが、中身はバートンの世界観とはまったく違う。いろんな役者さんの他では観られないぶっ飛んだ格好や演技が見られて、笑ったりほろりときたり、単純に楽しめました。出てるほうも楽しか…

岩松了監督『たみおのしあわせ』を観ました。

岩松了が監督で、キャストがオダギリジョー×麻生久美子という、『時効警察』シリーズを彷彿とさせるメンバー。 でもこれは偶然なんですって。実際、オダギリジョーも麻生久美子も『時効警察』をは似ても似つかない演技&役柄でした。 田舎町に父と二人で暮ら…

マイケル=パトリック=キング監督『SEX and the CITY』を観ました。

『SATC』といえば、ニューヨーク在住の独身30代女性4人の毎日を赤裸々かつコミカルかつ切なく描いた、6シーズンにわたる大人気ドラマシリーズです。 現地米国では2004年に放映が終了しているものの、全世界に根強いファンをもっています。 わたしの周辺の女…

井口奈巳監督『人のセックスを笑うな』を観ました。

満を持して。前回観に行こうとした際には、あまりの混雑に観られなかったのです。 松山ケンイチ×永作博美×蒼井優という旬で魅力的な組み合わせ、20歳の年の差恋愛、興味深いタイトル…確かに吸引力はあります。 中だるみはありましたが、空気感のよい映画でし…

ケネス=ブラナー監督『スルース』を観ました。

スルース 【探偵】 [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2008/09/26メディア: DVD購入: 2人 クリック: 7回この商品を含むブログ (41件) を見る「まず第一に、スルースってなに?」ということで調べたら、英語の口語でスペルは“sleuth”、“探偵”もし…

松本貴子監督『≒(ニアイコール)草間彌生 わたし大好き』を観ました。

様々なアーティストを追いかけるドキュメンタリーシリーズの第5弾。前衛芸術家・草間彌生さんの新作が完成するまでの日々に、1年間あまり密着した映像です。 わたしは有名無名、老若男女を問わず、自分に絶大なる自信と脇目もふらぬ情熱を持っている人に人…

藤田容介監督『全然大丈夫。』を観ました。

荒川良々と岡田義徳が三十路直前のダメダメな幼馴染み同士という設定、彼らが揃って、これまたさえない木村佳乃に恋をする、という物語です。田中直樹(ココリコ)、蟹江敬三、白石加代子、きたろう…エキセントリックなキャスティングです。字面だけ見ると木…

三木聡監督『転々』を観ました。

藤田宜永氏のものを原作にして三木監督が映画を撮る、というのはとても妙な取り合わせなカンジがしました。『イン・ザ・プール』の際には、原作からして三木監督の笑いとシンクロしそうな雰囲気があったので、はじめからしっくりきたのですが。転々 プレミア…

松尾スズキ監督『クワイエットルームへようこそ』を観ました。

【楽天ブックスならいつでも送料無料】クワイエットル-ムにようこそ [ 松尾スズキ ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 小説・エッセイ > 日本の小説 > 著者名・ま行ショップ: 楽天ブックス価格: 1,131円楽天で詳細を見る原作を読んだ際には、よい小説とは思い…

森田芳光監督『サウスバウンド』を観ました。

サウス・バウンド作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/06/30メディア: 単行本 クリック: 32回この商品を含むブログ (230件) を見る沖縄の景色がとてもきれい。あと大根役者ながら子役のふたりと、北川景子ちゃんが魅力的でした。大根でも憎…

堤幸彦監督『自虐の詩』を観ました。

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)作者: 業田良家出版社/メーカー: 竹書房発売日: 1996/06メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 426回この商品を含むブログ (218件) を見る働かない、妻がパートで稼いだなけなしのお給料は使い込む、気に入らない…

荻上直子監督『めがね』を観ました。

小林聡美、もたいまさこ、市川実日子、加瀬亮、そして光石研。加えて『かもめ食堂』の荻上監督。もう字面だけでときめいてしまい、そそくさと観にいきました。 主人公は、都会で人生に行き詰まりを感じ、ひとりで旅に出ます。人生のリセット(そのあたりの事…